サンジ→ゾロ
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「サンジはゾロに惚れている」という設定が尾田先生の中に出来上がってると思います。
「ワンピース」は男が男に惚れるマンガだと思っているのですが
中でも、熱いのがサンジのゾロに対する想いだと思うのです。
初めて会った時から何かを感じて、決定的な生き様を見せつけられて。
サンジは可愛い女の子を見ると、もれなく「ポッポー」となるのがクセのようで
そんな部分を含め、自分を愛しく思っているでしょう。
しかし、ゾロの中に自分の理想とする男の形を垣間見て
たまらなく惹きつけられて、強く憧れて、真似できなくて、悔しくて。
もちろん、真似なんてする必要は無いし、サンジにはゾロの持ってない物が
たくさんあるって事は、サンジ自身も十分理解しています。…頭では。
ただ、感情が先走るあまり、うまく接することが出来ませんでした。
ココヤシ村での再会。
2人の摩擦は、サンジが自分自信の中の「ゾロ」をうまく収めきれないことから
生まれたように思います。
しかし、そんな「衝突」も、一緒に時を過ごすうちに
心地よいコミュニケーションになってきています。
最近のジャンプを読んでいると、2人がごく自然に馴染んでいます。
明らかに2人の関係が出会った頃から変わってきています。
この変化というのは、2人の変化というよりは
サンジ自身の変化のような気がしてなりません。
サンジが自然体になる事で、2人の関係も穏やかな物になってきているように思うのです。
サンジが何かを乗り越え、自分の中の「ゾロという存在」と
うまくつきあえるようになった事が現れているように感じます。
そして、その事に気づいているのはサンジだけでしょう。
サンジはずっとツッパって生きてきました。
背伸びして生きてきました。
しかし、最近のサンジはとても子供っぽく「赤ちゃん返り?」とさえ思ってしまうほどです。
サンジは自分の真の居場所をみつけ、確実な成長を遂げ
その結果、本来の自分自身、特に自由奔放な子供っぽい部分を取り戻したように思います。
そう。ちょうどオールブルーの存在を信じて夢見ていた子供の頃のような。
ゾロ→サンジ
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ゾロと出会って、ゾロと共に戦って、ゾロとケンカして。
サンジのゾロへの意識や感情が波瀾万丈に変化していったのに対し、
ゾロからサンジへの感情はどうなったでしょうか。
私が見る限りでは、最初から一貫して「クール」な態度をとっています。
ただ少しずつ変わってきているのは、サンジと口論している時のゾロが楽しそうだということです。
…さ、ささやかですね…。
ゾロからサンジへの働きかけというのは全て無意識に行われているように思います。
「なんとなく、こいつと酒を飲むと楽しい。」
「こいつの飯が無性に喰いたくなる。」
…こんな感じで、自分にとってのサンジの存在を定義づけるような事はしないでしょう。
きっと。永遠に。(笑)
しかし、確実にゾロの中のサンジは大きく成長していってます。
これは私の全く個人的な見解ですが
ゾロはサンジに「居心地の良さ」を感じてると思うのです。
でも、それは「空気」のような存在であって
それこそ鈍感なゾロは「失くして」しまわない限り、その大切さに気づかないような…。
でも、サンジはなくならないの。
ゾロはサンジをなくさないの。
だから、永遠に気づかないの。
ゾロがどれだけサンジを大切に思ってるかというと。
例えば、一緒に戦っていて、苦しい状況に追い込まれて。
サンジの指の骨が折れるくらいなら
ゾロは何の躊躇いもなく、背中に傷を負って、それを阻止するでしょう。
朝飯前です。余裕です。
ゾロには胸に大きな傷があって、それは自分の誇りを護るために受けた傷なのですが
背中の傷は、自分以外の大切な物を護るために受けるでしょう。
サンジは、ゾロの傷を見るのはつらいでしょう。両方とも。
・・・とかいうシチュエーションは萌えますが。(笑)
とにかく、ゾロのサンジへの想いというのは極限状態でしか、現れないように思うのです。
ゾロはこれからもゾロであり続けるでしょう。
その一方で、サンジがメキメキと変化し続け、その変化にしたがって
2人の関係もドキドキハラハラと変わっていくことでしょう。
これから2人の関係がどうなるか、興味津々ではありますが。
今はまだ
目の前の冒険に夢中。
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