若竹 presents
トワイライト勉強会
Twilight Study meeting

実験のような事件

※大事な事を言い忘れてましたが、勉強会はサンジの部屋でしています。
(これだから、SSを書き慣れてない人はっ!!)
サンジの部屋は2階にあって、1階にキッチンがあります。

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…バカか、お前。そんなモン、見たい訳無ぇだろ。…

という返事が返ってくるとばかり思っていた。
しかし、サンジは奇妙な返事をしてきた。

『見せられるもんなら、見せてみろよ。』と・・・・。

これは、つまりゾロがどんな顔でキスをするのか、自分に見せろ、という
意味なのだが、サンジは深く考えてないらしい。
しかしそれならそれで、サンジを黙らせるには面白い、と
ゾロは心の中で少しだけ思った。

ゾロは黙って表情を変えないままで、しばらくサンジを見つめた。
サンジはこのやりとりの意味する物をはっきりと理解できないままで
ただ、ゾロが黙ってしまった事に何となく満足していた。

「バカか。お前。」
ゾロはそう吐き捨てると、一瞬不敵な笑みをみせたような気がするような。
一瞬だったからサンジにもわからなかったのだが、すぐに真顔になってしまって
ゾロの腕がサンジの顔の方に近づいてきた。

ゾロの右手がサンジの後頭部をつかむと、サンジは全身が凍り付いたように動かなくなってしまった。

おかしい。

頭を固定されているだけなのに、腕も足も動かない。声も出ない。
駄目押しとばかりにゾロの顔が近づいてきた。
ゾロの息や体温が間近に迫り、全身が「熱い」と感じる。汗までかいてきた。
何なんだ。今のこの時間は。

ゾロは小憎たらしいサンジにぎゃふんと言わせようと(死語)実力行使に出た。
ゾロはわざとゆっくりと動いた。その方が効果的だからだ。あくまでも目的は威嚇であるのだ。
まず、後頭部をつかむ。この時点でサンジは全くといっていいほど動かなくなった。
サンジの顔を自分の方に向けるとサンジは驚きで目を見開いていた。
ゾロはその見開かれた瞳をにらみつけ、少し視線を落としてサンジの唇を見た。

…お前の唇はここにあって、こんな形をしてるんだな…

ゾロの視線がそう言っているように見えた。
そして再び視線を上げてサンジの瞳と合わせると後頭部を掴んでいた腕に
力を込め、少しずつ自分の方に近づけていった。
再び視線はサンジの唇に…。

サンジは恐怖におののき、目をみひらいたまま、ゾロを避けようと
何とか首に力をこめて、顔の角度を変えようとする。
するとその動きに呼応するようにゾロの腕に力が込められ、元にもどされる。





何なんだ。今のこの時間は。
ちょっとした「永遠」を感じるほどにゆっくりと過ぎる時間に
サンジはなすがままになっていた。

ゾロの行為の先は明らかに読めるのに。
むしろやるならやってしまえよ、と望むほどに意地悪く焦らされて。
いよいよ自分の視界一杯にゾロが広がって…。


・・・・・ああ、上唇なんだろうか。


「うわぁーーーーーーーっ!!何しやがんだ!!バカか!っつか、バカだろ。バカだ!
 何考えてんだ。バカ野郎。バカにもほどがあるだろっ!!」

知性のかけらもない雄叫びを上げて、サンジはゾロを突き放した。

もしかしたら、今までずっと息を止めていたんじゃないのか、俺は、と思えるほどに
サンジの息は荒かった。肩で大きく息を吐きながら、やっとの事で自分を取り戻した後
いたたまれなくなったのか、サンジは部屋を飛び出してしまった。

ゾロはゾロで最終的には「どんなもんかな」という好奇心が勝っていたので
「意気地が無ぇなぁ。」と舌打ちなどをしていた。


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