若竹 presents
トワイライト勉強会
Twilight Study meeting
嵐の前の静けさ |
何だかんだ言いながらも、自分のために飯を作ってくれるサンジをゾロは満足げに見送った。
飯が出来るまで、少し暇なので、なぜサンジはああも不機嫌なのかを
ゾロなりに考えてみようとした。
…学校では普通だったよな…。
ゾロは学校ではほとんど寝ているのだ。筆箱を忘れても支障の無いほどに…。…いや、昨日の晩から少し変だったか…?
そういや、昨日・・・。
カチャ。
扉が開いてサンジが入ってきた。
サンドイッチとサラダだった。
ゾロにとっては十分なご馳走なので、サンジがこれを「スナック」と呼ぶ事が理解できないでいた。
スナックというのはポテトチップの事だからだ。緊張の連続であったサンジだったが、自分の料理を無心に食べるゾロを見ていると
少し楽になっていた。
自分の料理を食べる者の姿を見るのは、飽きない楽しみであるし
どういう順序で食事を進めるのかを見届けながら、食材や味付けの事を考える時間が
サンジは好きだった。
…いや、自分の作った料理を食べるゾロを見るのが好きなのかもしれない…。少しずつ、サンジは自分の気持ちを受け入れようとしていた。
その一方でゾロは食事をしながら、ある結論を出していた。
サンジの様子がおかしいのは、昨日の事と関係があるようだ。(・・・・確かめてみよう・・・)と。
中途半端にもがき苦しんでいるくらいなら、良かれ悪しかれ決着をつけてやれ、という気持ちと。
自分自身の興味と好奇心…。嵐の前の静けさとも言えるリラックスした雰囲気が漂っていた。
食事が終わるとサンジは手際よく食器を片付け出した。
すっかり和んでいたサンジは、目の前の見慣れた光景に気も緩み
再び訪れるであろう居心地の悪い緊張の事をすっかり忘れていた。
そのくらい、食事の時間というのは楽しい物なのだ。会話など無くても。2人分の皿とカップをトレイに乗せ、キッチンに運ぶために立ち上がった。
そのまま部屋を出ていこうとするサンジの背後からゾロの声がした。「おい。」